第5回有機茶の栽培技術勉強会
2010年07月18日 22:00
2010年7月18日(日)
三重県四日市市 ふれあいセンターにて
講師:ジャパンバイオファーム小祝政明氏
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今回は三重県の四日市市で開催です。まずはほ場視察。数年前より茶樹が元気になっていました。 |
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今回は施肥のタイミングがテーマ。そおの重要性を学びました。基礎から始めたこの勉強会も理解の深まりとともに、具体的な疑問や質問も問いかけられるようになりました。無施肥栽培についての質問もあり話題になりました。 |
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今期収穫のお茶を並べて。各茶園の特徴が伺え参考になります。毎年品質向上を目指し厳しい意見交換も。 |
土壌分析のタイミング 茶は秋、冬に貯蔵養分をためこみ、その貯蔵養分で翌年の一番茶(新芽)を伸ばす。 貯蔵養分量を決める施肥が9月上旬~10月下旬の礼肥と11月に施す元肥。礼肥と元肥の適正値を決めるために土壌分析は7月中旬に行う。さらに新芽のための土壌分析を行うようにすればより適切。 施肥内容とそのねらい 7月中旬~下旬 施肥するミネラル肥料→石灰、苦土、イオウ、マンガン、ホウ素なそ 8~9月/礼肥 ねらい→貯蔵養分を貯める。芽数を増やしスタートを揃える 施肥するアミノ酸肥料の特徴→C/N比の高いもの 11月/元肥 ねらい→芽を継続的に伸ばす。 施肥するアミノ酸肥料の特徴→C/N比の低いもの 3月/芽出し肥 ねらい→味をのせる 施肥するアミノ酸肥料の特徴→水に溶けやすいこと(コク→C/N比低い・甘み香り→C/N比高い) 施肥するミネラル肥料→苦土が必要な時がある。カリの効きを抑える石灰は使用しない。 石灰のいれすぎは葉が黄色くなる お茶はカルシウムよりもどちらかというと鉄とマンガンと同とか苦土とかの水溶性のものを吸うようにできている。それなのに石灰を多くいれすぎると、ミネラルが水溶性じゃなく半固定物質のようになってしまう。だから葉は黄色くなり水色もでないし量もでない。 石灰をいれる時期は年に一回だけ 石灰は春先にやったら一番危険。これから葉もそう大量に出ないでなおかつ時間も長いという秋の前しかだめ。石灰やれる時期は1年のうち1回しかない。その時期を逃したらアウト。秋根が伸び始めるのが8/20過ぎくらいから。それまでに石灰が根の近くにありなおかつイオン化していなければいけない。だから直前ではだめで7月中旬~下旬にかけて石灰をやっておかないと手遅れ。石灰がないと秋根が伸びないいから根っこという燃料タンクが小さくなってしまう。秋根にどれだけ炭水化物をためられるか。石灰、ケイ素、マンガン、ホウ素、鉄、必須要素、これらは7月中旬~下旬にかけて。 無施肥栽培について 無施肥では土壌の養分が使われてしまえばもうできない。無施肥で肥料をやらない方が良いという考え方は結局、窒素のことを言っている。窒素を与えないから他のミネラルが吸えるようになりセルロースができる。だから丈夫になり腐りにくい、と言う。窒素が薄くなると根が伸びていく。じわじわ伸びたところに石灰や微量要素があればこれは健康に決まっている。だから無施肥というのはある程度までは良いが全部吸ったらそれで終わり。ミネラルがなくなりピークが過ぎればもう採れなくなる。無肥料は考えないい方が良い。お茶でやると相当しくじる。生業としての農業ではなく自分用に作っているだけなら良いが、農業の場合は土壌から持ち出されたものは入れるしかない。 ストレスのある葉は香りが出る? 茶農家からの質問:干ばつなどストレスの加わる葉は香りが出ると聞いたがどういうことか? 講師の答え:干ばつ云々というのは、言い換えると窒素のある土の領域の水が少ないということ。地面の深い部分の水が吸えないのではなく上層部の水が少ない。20~30cmは乾燥してくるが直根性の根は水を吸っている。もし干ばつで本当に水が吸えなかったらもたない。干ばつで吸っていないように見えても水を吸ってる。水を吸っているということは炭水化物を作っているということ。ということは葉の含糖率が高まる。つまり香りはよくなる。窒素を多く吸っている間は伸びてしまうが、伸びずに葉の中に糖がたまっているということ。 |