第4回有機茶の技術栽培勉強会

2010年02月02日 22:00

2010年2月2日(火)
静岡県富士市
須津まちづくりセンターにて
講師:ジャパンバイオファーム小祝政明氏

今回も前回と同じく、静岡県富士市の2茶園を視察。施肥設計の効果を検証。やや状態が思わしくなかったほ場が「ぐんと良くなった」と講師の評価。
午後からは講義。各要素の役割の復習やそおの影響の学習。勉強会に慣れてきた皆さんからも活発な質問が飛び出しました。

アミノ酸
アミノ酸は作物の体内で、アンモニアと炭水化物が一緒になって合成される。アミノ酸は炭水化物がかたちを変えて含まれている物質、つまり炭水化物を持った物質ということができる。有機栽培の場合、作物の基本となる物質である「炭水化物を持ったアミノ酸」を根から吸収することで体内に取り込むことができる。これが重要なポイント。
吸収された炭水化物は作物の体づくりの材料であり、活動のエネルギー源であり、作物が生きていくための基本的要素。
「体づくりの材料」という面においては二つに分かれる。ひとつはアミノ酸は細胞や各器官の原料であるということ。アミノ酸はタンパク質の原料。そのタンパク質が細胞を作り各器官を作っていく。もうひとつはアミノ酸の炭水化物部分からセンイ類が作られること。センイが強固になればしっかりした体になり病害虫にも強くなる。
「活動のエネルギー」という面においても使われるのはアミノ酸の炭水化物の部分。炭水化物は作物のいろいろな活動のエネルギー源。また天候不順の時には光合成が低下し炭水化物が作られる量が少なくなるが、有機栽培の場合根から吸収したアミノ酸の炭水化物部分を使うことで炭水化物の減少を抑えることができる。つまり光合成が果たしている役割をアミノ酸が代替することができる。
さらにアミノ酸は付加価値を高めることにも使われる。アミノ酸の炭水化物部分は量にゆとりがあれば容易に糖類に変換できる。糖類は炭水化物そのものだから。果実に蓄えられればそのまま糖度アップにつながるし、ビタミンCなどにも変換される。作物中の糖度が高まれば、耐寒性や耐凍性を向上させる効果もある。