第2回有機茶の栽培技術勉強会

2009年02月25日 22:00

2009年2月25日(水)
静岡県静岡市にて
講師:ジャパンバイオファーム小祝政明氏
施肥設計の基本

今回は会議室にてパソコンを持ち込み、1日みっちりの勉強会。施肥設計の基礎を学びました。
その前に、正しい施肥設計をするためには、茶の整理と各要素の働きを知ることが大切です。これらの知識なしには適切な施肥が行えません。茶のために良いと思って行っていることが、違っていた・・・、ということも多いのが実際。
葉緑素について学んでいるところ。光合成を行うためには、苦土、マンガン、鉄、銅が必要。つまり作物の健康は適切なミネラルが大事、という内容です。光合成は植物の生命を維持する基本的な生命活動ですから、光合成のしくみを理解することは欠かせません。
窒素、燐酸、加里、石灰、苦土、ケイ素、硫黄、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、ナトリウム、塩素、ゲルマニウム。各要素が茶樹にどのような影響を与えるのかを知ることで、自分の作りたいお茶への栽培方法のヒントが見えてきます。土壌をマネジメントするために必要な基礎知識。

 

葉緑素
植物は常に光合成をして生きていますがその機能は葉緑素が担っている。葉で光合成を行い炭水化物を作る→炭水化物や根から吸収された養水分を必要な器官や部位に運ぶ→送られてきた炭水化物や養水分を使い有機物を結合、蓄積し、細胞や器官を作り上げる。作物はこのように成長しているので光合成の工場である葉(葉緑素)の役割は非常に重要。
その葉緑素の化学式はC55H72O5N4Mg。葉緑素の本体部分はマグネシウム(Mg)を中心に4つの窒素(N)を持つ。葉緑素を作るにはマグネシウム1個に対して窒素4個という基本骨格を維持しながら十分な量の炭素化合物が必要になる。この葉緑素がしっかり作られ、機能していることが健全育成の基本。そのためには葉緑素を作っている材料(炭水化物や窒素、苦土など)を供給し、同時に葉の機能が発揮できるようにしなければならない。
これまで、ほ場に出て茶の樹を検証すると苦土欠(くどけつ)の症状が多く見られてきた。苦土(マグネシウム)は、窒素、リン酸、カリなどの三要素に比べあまり注目されてこなかったが、構造式からもわかるように苦土は葉緑素の機能を担う中心物質。土壌中に少なければ必ず施肥しなければならない。苦土の不足は即、光合成の低下を招いてしまう。